
ミイラ再生(1932)

ミイラ再生はユニバーサルが導き出した名作
8ベラルゴシがドラキュラ伯爵を演じた「魔人ドラキュラ」、イギリス監督ジェームズ・ホエールによって作られた「フランケンシュタイン」どちらも格調高い演出でゴシックホラーを作り上げた。この2大怪物映画がヒットし次にユニバーサルが生み出したのが「ミイラ再生」である。
イムホテップを演じたボリス・カーロフ

ルゴシは、ドラキュラで好演し成功を納め、カーロフは長年不遇の時代が続いが1931年「フランケンシュタイン」で映画館に悲鳴を響かせて一躍スターの仲間入りをすることになる。本作はその次に生まれた新たな怪物、ミイラである。
カーロフが演じたのは古代の王女アンケセナーメンを愛してしまった高僧イムホテップ。イムホテップは王女を愛してしまったが故に生き埋めにされてしまう。カーロフは高僧の貫禄とミイラとなってからも報われなかった恋心を持ち続ける悲哀を豊かに表現した。体が大きいが言葉数が少なく品位のある怪物を演じることを得意とした。
古典モンスターを作ったジャック・ピアース

ピアースはフランケンシュタインでメイクを手がけて成功する。本作でもその卓越したデザイン力を披露した。粘土とゴムのりを使ってメイクをし、ミイラの古びた感じを出すために焦げた麻でぐるぐる巻きにしてからちり全体にかけた。
ハムナプトラやマミーなどリブード作品が多数ある
本作によってミイラものという分野を確立した。ミイラ再生は、大昔の死んだはずの男が古代の高僧であり神通力のような力を用いて現代に生きる人に襲いかかる。
この古代の謎めいた存在が近代に蘇る設定は、色褪せない魅力を持っている。ピラミッドはあれだけの大きな石をどのようにして運び作ったのか、など古代エジプトには未だ謎が多く世界中の人々に興味をもたれているのだと思います。ハムナプトラやマミーは怪奇映画ではなくCGを駆使したアクション要素が多いがどちらもスリルのある作品となっている。
あらすじ
1921年のエジプト。大英博物館の遺跡調査団は古代の高僧イムホテプのミイラを発掘した。考古学者の一人が、死者を復活させる呪文を記した巻物「トトの書」を読むとイムホテップのミイラが息を吹き返し、いずこかに姿を消してしまった。
1932年のエジプト。なかなか成果を上げられない大英博物館の遺跡調査団のキャンプを、謎のエジプト人が訪れる。その男は自ら見つけたという発掘品を提供、それを元に調査を行うと、王女の墓が発見された。

