死霊のしたたりは、コメディホラーの宝庫!ネタバレもあり

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死霊のしたたり(1985)

死霊のしたたり

死霊のしたたりのネタバレや果たした役割

80年代にホラー映画を中心にB級映画を製作していたエンパイヤ・ピクチャーズの最高傑作。のちに倒産したが、「死霊のしたたり」は世界的にヒットした数少ない作品でもあります。

H・Pラヴクラフトの新聞小説「死体蘇生者ハーバード・ウェスト」原作であるが、死体蘇生のアイデアを借りた程度で原作とはかけ離れたものになりました。

スタイル的にはコメディとスプラッターの要素を掛け合わせたもので、おもちゃ屋で品物を眺めているあの時のような喜びに浸れる。マニアにはたまらない良さかがあるのは間違いではない。この観点から見れば後の「死霊のはらわた」や「ブレインデッド」の道しるべになった作品として考えれば映画史的には貢献している。ただ普通に見れば常軌を逸しているのも確かだ。

ジェフリー・コムズという個性的な性格俳優

ジェフリー・コムズ

なぜエロ・グロ・ナンセンスのこの作品がカルト的人気になったのは死体から飛び出した臓物が人の首を締めるといった演出があるからだけではない。

科学者ハーバード・ウェストを演じた性格俳優ジェフリー・(アラン)・コムズによる功績は大きいと思う。彫りが深く整った顔立ちから一見2枚目に見えるが、黒目がやや小さくギョロッとした時の目はホラー映画にはぴったりなサイコな雰囲気を醸し出している。今作の監督と組みミュージカル版にも携わった。

メグ役のバーバラ・クランプトンの見た目は可愛らしく、ホラー映画ファンを引きつける要素になった!作品のキャッチフレーズ「首なし男こいつにだけは、抱かれてはいけない!」はライターさんが彼女を見て思わず口にしてしまった、と思わせるビジュアルだ。

バーバラ・クランプトン

スチュアート・ゴードン監督

スチュアート・ゴードン

ホラーやSF映画を多く手がけている監督です。他にラヴクラフト原作に挑んだ映画があり、「フロム・ビヨンド」(1986)や「ドールズ 」(1986)、「キャッスル・フリーク(1995)など、数々のホラー作品を手掛けました。「ロボ・ジョックス」という初のリアルロボット映画の実写化をした監督でもあります。その子供心をくすぐる才能を持っていただけに2020年3月に亡くなったのは、残念でなりません。

死霊のしたたりの疑問を解決!

Q.死霊という題名のついた作品、死霊のはらわたや死霊の盆踊りなどありますが内容に関わりはあるのですか?

A.関わりはございません。監督や俳優にも特に繋がりはないです。和訳の日本語タイトルがシリーズのように付けています。

これは、洋画が日本ではヒットしづらい背景があると思います。海外では映画を芸術のとして捉える割合が多いですが、日本映画は漫画やアニメの実写化やテレビドラマの映画化などメディアミックスによって売上げを上げる手法が一般的です。制作費を抑えて売上げを上げれるからです。洋画作品を販売する際日本では全く聞いたことがないような監督や俳優が出ている作品は誰も見ないのでマーケットする時にあえて付けていると思います。

あらすじ

マサチューセッツ州の某大学の脳外科医ヒル博士の研究室で助手を務めるハーバート・ウェストは死体蘇生の研究に没頭している。家賃に目がくらみ同居している学生のダンは彼がスイスの大学で死体を蘇らせる研究をしていたことを告白される。魅力的に感じたダンは研究の協力をすることに。ある日、死体を蘇生させる血清の発明に成功する。

ハーバートは血清の信用性を確かめるため、同僚のダンと共に死体置場で実験を試みるが、ゾンビとなって暴れだす死体の噂を聞きつけてやって来た学長のホルジーを殴り殺してしまう。ハーバートとダンが血清でホルジーを生き返らせたところ、彼は狂暴なゾンビと化す。ハーバードは、彼を精神病院に監禁した。さらに事件の秘密を知るヒル博士を殺し、体を解体し蘇生させた。ところが彼は研究室から逃げ出しダンの恋人メグを誘拐して死体安置所に閉じこもった。事態は混乱していく。

二人はメグを助けに駆けつけた時に博士は二人にゾンビ軍団をさし向ける。メグを救出できたもののゾンビに首を折られ死んでしまう。ダンは必死に救命活動をするがどうにもならない。ついには血清を手にした。