映画「リング」のシリーズや貞子について解説

ホラー映画データベース

映画「リング」シリーズはこうして生まれた

リング

リングは日本のホラー映画ブームを作った

Jホラーの原点は、「ほんとうにあった怖い話」と言われています。80年代にスラッシャー映画(13日の金曜日やエルム街の悪夢など)が流行りホラー映画といえばそういった西洋の理不尽に人が殺される作品であった。

当時ビデオ会社に勤めてたのちに、ほんとうにあった〜の監督をする鶴田法男は、日本に昔からある怪談と西洋の理不尽な恐怖を合わせれば日本でも海外でも受けるものが作れると思い生み出された。自身の霊体験を生かして映像化したいという思いもあったそうです。鶴田監督は、ほん怖パート2の「夏の体育館」と「霊のうごめく家」でその表現することに成功しました。

畳にシミがついていてそれを雑巾で擦っていると後ろの扉の開いた暗がりに幽霊がただ佇んでいるという演出はのちに黒沢清、清水崇、などホラー映画監督やのちに「リング」の脚本をする高橋洋に影響を与えた。高橋洋が初のホラー脚本を書き、中田秀夫監督と初めてタッグを組み「ほんとうにあった怖い話 呪師霊」を製作。その中の3本目の「霊の棲む旅館」であの三面鏡が出てくる。

このタッグで次に傑作「女優霊」を作ります。中田が企画し高橋がスタジオで経験した実際の恐怖体験をもとに脚本を執筆、それの映像化を中田が担当。しかし女優霊は「全然怖くない」と高橋に叱咤された中田は奮起する。

貞子の恐怖演出は中田秀夫が生み出した

バーバラ・クランプトン

リングは、中田秀夫が徹底的に恐怖演出を研究して作られた。

日本中を震え上がらせた貞子のギクシャクした動き。これから何か起こりそうと思わせてギリギリまで緊張感が高まったところで何も起きないシーン。見たものが7日後に死ぬという「呪いのビデオ」の不快な映像。そしてクライマックスに貞子が現れるシーン。音にもこだわり、突然電話が鳴り始めるシーンでは鳴り出した時に音量を最大にし人物が電話に近づくにつれて音が小さくなるという音に落差をつけた。

これらはJホラー作品で何度も繰り返し使われることになる。

あの貞子のまつげのない目は男性スタッフが演じた。

貞子の目

リングにまつわる疑問を解決!

Q.リングを鑑賞したがどこが怖いか分からなかった。あの作品の恐怖はどこにあるのでしょうか?

A.貞子は人間じゃない何かかもしれないという恐怖と人に対する恨みです。見たら7日間で死ぬ呪いのビデオが恐怖の対象ではなくあくまで恐ろしいのは貞子という存在であるというのが狙いだそうです。

Q.リングはシリーズがたくさんあるが、らせん、リング2、リング0バースデイは作品ごとにどういった繋がりがあるの?

A.リング2はエクソシスト2を目指そうと作られた作品でパラレルワールドの一種になります。正式な続編はらせんです。リング0バースデイは貞子はなぜ人に恨みを持っているのか?の謎を紐解くリングのシリーズとなっています。

あらすじ・ネタバレ

テレビ局員、松嶋菜々子が演じる浅川玲子は、都市伝説にまつわる取材の中で、見た者を1週間後に死に至らしめる「呪いのビデオ」に関わったと噂される男女4人が、数日前に奇怪な死を遂げたことを知る。その中に自分の姪、大石智子と同日の同時刻に死亡していることに気づく。調査するうちに別荘で撮影されたフィルム写真上の4人の顔が不気味に歪んでいることに着目する。問題のビデオを発見した浅川は、それを見てしまった。直後に不気味な無言電話を受け取る。これを境に、玲子自身の写真もまた死んだ4人と同様に歪んだ顔で写るようになってしまう。

別れた夫の協力を得てビデオの謎を解明するうちに、超能力者の悲劇的な死とその呪いにたどりつく。1週間という限定された時間で謎を解かなければならない。検証のために玲子から渡された「呪いのビデオ」を見てからちょうど1週間を迎えた竜司は、自宅のテレビが突然点灯するのを目撃し、そこに映し出された井戸から這い上がってくる貞子の姿を目にする。電話が鳴り響く中、長い前髪を揺らし奇怪な動きで歩み寄ってきた映像の中の貞子は、テレビの画面を通り抜けて這い出し、竜司の眼前にその姿を現す。そして恐怖にすくむ竜司へとにじり寄り、前髪の間から覗いた狂気の目で彼を睨み殺す。

竜司の死を知った玲子は、陽一にかけられた呪いが解けていないことに気づく。玲子は竜司の部屋から持ち出した「呪いのビデオ」のコピーと、都市伝説の取材で耳にした話から、自分だけが助かったのは「呪いのビデオをダビングして他人に見せた」からであるという結論に至る。物語の最後、最愛の息子・陽一を救うための犠牲として、自分の父親にビデオを見せることを決意した玲子は車を走らせるのであった。

ホラー映画&心霊動画 映画ブログ・テーマ
ホラー映画&心霊動画